グロース株優位の時代が終わり、バリュー株の時代が来る?
JPモルガンのコラノビッチ氏によりますと、株式市場は長期転換点にあり、グロース株優位の時代が終わり、バリュー株が当面アウトパフォームする可能性があると指摘しています
ボラティリティとバリュー株の関係
同氏はボラティリティの低下を、バリュー株優位の背景の一つとして挙げています。
確かに今後は、米大統領選などの大きなイベントが予定されておらず、コロナによる経済や金融市場の混乱もさほど見込みにくいでしょう
過去をみても、株のボラティリティ(VIX)と、グロース株優位 or バリュー株優位の関係性がみられ、下図でも、ボラティリティが低下すると、バリュー株が優位になっています
・世界株式のグロース株価指数÷バリュー株価指数
これは、相場の変動性がない中では、割安なものが再評価され、買い戻されやすいためだと考えられます。
また、昨年11月以降は、世界で見ると、バリュー株優位となっています
低金利はハイテク株に追い風
ただし低金利が続けば、ハイテク株は一段高となり、グロース株優位となるでしょう
今年7月に米国でワクチン接種率が9割まで上昇し、その翌月にパウエル議長がジャクソンホールで講演を行う予定です。
議長が緩和縮小に前向きな姿勢を示した場合、市場は金利上昇で反応するか、それとも、金利は横ばいor低下で反応するかに注目です
バリューorグロースで見落としてしまうこと
また、FANGやTeslaに代表されるように、新しい時代の中心となる会社の株は、単純にグロースと分類できるかは議論があるところです
バリューvs.グロース、というのは、同じ時代の中の景気循環において、バリューが優位になったり、グロースが優位になったりすることを念頭に置いた議論です
第3次産業革命におけるインターネットの発達で、グロースである電子コンテンツの企業が大躍進する一方で、バリューである本屋や出版関係の会社は大きく後退し、この流れが覆ることはないでしょう
我々が今、第4次産業革命の最中にあることを踏まえると、これまでのサイクルが継続することを前提とした、バリューvs.グロースという観点からの銘柄選別はうまくいかないかもしれませんね
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