『「リフレトレード」が招く円独歩安』(日経新聞、2021年2月17日)のように、「リフレトレード」という単語が散見されるようになりました。
ただし、「リフレトレード」が具体的に何を指すかは、書き手によって異なるようです。
本記事では、「リフレトレード」の定義と、「リフレトレード」の具体例について解説します。
リフレトレード、リフレーションとは
「リフレトレード」とは、リフレーションの時に儲かる取引のことです。
リフレーションとは
そして「リフレーション」とは、デフレーションから抜け出たが、本格的なインフレーションには達していない状態のことを指します。
最近は、「リフレーション」≒「コロナ禍からの脱却」という意味でも使われます。
ワクチン接種が進む→景気が良くなる→人々が物を買う→徐々に物価が上昇する(リフレ)
ということです。
リフレトレードとは
「リフレトレード」を現在風に訳すと、「経済がコロナから脱却するときに、儲かる取引」です。
要は、「コロナが収束したら(あるいは、収束しそうになったら)、値段が上がりそうなものを買っておきましょう」ということです。
リフレトレードの具体例
コロナが収束したら、値段が上がりそうなのは、以下のようなものがあります。
・原油(自動車や飛行機で移動する人が増えるので)
・航空会社の株(上と同じ理由)
・銅(様々な製品の材料)
・対面サービス会社の株(ホテル、映画館、レストラン)
コロナで世界的に低金利となりましたが、ワクチン接種が進んでいて、コロナからの脱却が速い国の株式や、金利は上がりそうですね。ということで、以下も選択肢になります。
・米ドル(米金利が上昇するので)
ちなみに、ドルを買う場合は何かの通貨を売る必要があります。FXでしたら、円だけでなく様々な
通貨ペアを選ぶことが出来ます。
そうすると、以下のような選択肢が考えられます。
・コロナが終わってもインフレにならなそうな国の通貨→日本円を売ってドルを買う
・コロナからの回復が遅そうな国の通貨→インドルピーを売ってドルを買う
金利が上昇すると、銀行をはじめとした金融機関も儲かりますね。
リフレトレード候補の現在
2020年5月との比較
2020年5月21日を100とした、リフレトレード候補の価格は以下の通りです。米国株はすでに、かなり割高化していますね。
・2020年5月21日を100とした価格変化
出所 Bloomberg
日本株やドル円やインドルピー・米ドルでしたら、まだ余地がありそうですね。
コロナ前(2019年12月との比較)
コロナ前(2019年12月末)を基準にすると、日経だけでなく、米系の航空会社株もまだ安いです。
・2019年12月末を100とした場合
出所 Bloomberg
まとめ
・具体的には原油や、航空会社の株などがあるが、すでに割高化しているものも少なくない
・日本はワクチン接種が遅れていることもあり、リフレトレードの対象を日本株の中から探すという手も
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