日本株は2021年3月以降、上値が重い状態が続いています。
リフレ・トレードの巻き戻しが影響しているかもしれません。
ただし投機勢のポジションをみると、リフレ・トレードの巻き戻しもそろそろ終わりを迎えそうです。
日本株も3万円越を試す可能性が徐々に高まっているとみています。
リフレ・トレードとは
「コロナが収束したら値上がりしそうなものをあらかじめ買っておく。」
これをリフレトレードといいます。具体的には下記のようなものが買いの対象となります。
・航空会社の株(上と同じ理由)
・銅(様々な製品の材料)
・対面サービス会社の株(ホテル、映画館、レストラン)
(リフレトレードについて、詳しくは↓)。
銅先物の投機的ポジションからみる、リフレ・トレードの現状
上記の通り、銅先物はリフレ・トレードのバロメータとしてみることが出来ます。
2020年2月~12月はリフレトレード全盛期
2020年2月~12月は、銅先物の投機的買い越しが膨らんでおり(下図の白が上昇)、リフレトレードが積みあがった(コロナ後を意識した取引が増えた)ことが分かります。
・2021年2月以降、銅先物の投機的ポジションは圧縮された(直近は2021年6月15日)
2021年2月以降はリフレトレードが巻き戻された
しかし2021年2月以降は、銅の買いポジションが減少しており、リフレトレードが巻き戻されたことが分かります(過去記事:投機勢が銅先物を売り仕掛け。中国株、インフレ、ハイテク株、ドル円への影響は?)。
興味深いことに、銅先物の買いポジション(上図の白)と、日経平均(上図の紫)の連動性は高く、銅先物が売られると、日経平均も下落しています。
銅先物は他の金属に先行して売られましたが、これは、米国の緩和正常化が織り込まれた(じゃぶじゃぶのお金が回収されるので、資産価格は下がります)だけでなく、中国当局が投機を制限したことも影響しています。
2021年6月15日時点で、銅先物の投機ポジションがフラット(売りにも買いにも傾いていない状況)に近づいていますので、リフレトレードの巻き戻しはおおむね終了したとみてよいでしょう。
2017年前半、2018年とは異なる
2017年前半や、2018年も銅が売られましたが、これは米国が利上げを行ったことで、一段とお金がジャブジャブでない状況になった(お金を借りたくても、金利が高くて借りにくい)ためです。
これらのケースでは、米国で利上げが行われるほど、リフレトレードが巻き戻される(銅や日経平均が下がる)ことになります。
しかし米国の利上げは基本的に2023年から、早くても2022年の後半からとみられていまし。
まとめ
以上を踏まえると、リフレトレードの巻き戻しはいったん終了したとみてよく、銅や日経平均は上昇トレンドに乗る可能性が出てきたといえるでしょう。
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