「米国が中国への株式投資を規制する」 との観測に対して、米当局は否定も肯定もせず
2021年7月27日、中国株が続落したことで、好調であった米国株も反落を余儀なくされました。
中国株下落の背景としては、市場の一部で「米国が中国への株式投資を規制する」との見方が広がったことを挙げることが出来ます。現時点では、米国の当局は対中投資規制について、肯定も否定もしていません。
人民元安が資金流出を意味するか
今後の株式市場を占ううえでも気になるのは中国元の値動きであり、足もとオフショア人民元安が進行し、4月以来初めて明確に対ドルで6.5を上抜けることとなりました。
本土香港相互投資スキームにおける対中国投資では、3日間で216億元の純流出が確認されており、実際に中国からの資金流出が確認されています。
下記の記事で述べた通り、中国からの資金流出が深刻化すれば、2016年や2018年のような中国株の大幅下落もあり得ます。
米中の全面対立は メインシナリオというよりはリスクシナリオ
米国の国務副長官は7月25、26日に中国の外交部長、副外交部長と会談しましたが、これといった成果がありませんでした。その一方で7月27日、米国の国防長官は中国の軍事的な拡張をけん制する一方で、「対立を望んでいるのではない」と述べています。
米中の対立が深刻化する状況は、今のところメインシナリオというよりはリスクシナリオと考えられます。現在割安化している中国株を拾うべきかは、悩ましいところです。
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