オマーン沖のタンカー攻撃はイランが犯人?原油価格への影響は?

コモディティ

イスラエルのタンカーが攻撃を受けた

7月29日、イスラエルの企業が管理している、石油タンカーがオマーン湾で攻撃を受け、乗組員2人が死亡しました。

reuters.com

イランが犯人?

ベネット・イスラエル首相は8月1日、「イランが無人の航空機を使ってタンカーを攻撃した」とイランを非難しました。

イランは関与を否定しましたが、ブリンケン米国務長官、ラーブ英外相もイランが犯人との見解を示しました。

2020年から続く小競り合いの一環

イランとイスラエル間では2020年以来、小規模な争いが続いています。

イスラエル、イスラエル、米国、英国の主張通り今回のタンカー攻撃もイランが犯人だとすれば、2020年から続く小競り合いの一環と解釈できます。

例えば2021年2月にオマーン湾でイスラエルの船が爆発しましたが、その報復なのか3月には地中海を航行中のイランのコンテナ船で爆発物による火災が発生したほか、6月には、イラン海軍の船がオマーン沖で火災により沈没しました。

8月5日からイランでは新大統領が就任。その影響は?

8月5日、イランでは強硬派のライシ氏が新たに大統領に就任します。

穏健派のロウハニ政権よりも、外交政策では強気の姿勢が想定され、イランによるタンカーへの攻撃が増える可能性もあります。これは原油高要因となりえます。

また今回のタンカー攻撃が原因で、イランと米国との核合意が遅れる可能性も考えられます。

ただしイランの次期大統領の下では、核合意の締結が困難であることはコンセンサスとなっています。

今後もイランが中東情勢の火種となるリスクはありますが、ある程度の小競り合いに関しては市場は既に想定済しています。

イランがイスラエルだけでなく米国や英国のタンカーを攻撃するなど、攻撃の対象を増やさない限りは、イラン関連のニュースが原油価格等に与える影響は限定的となるでしょう。

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