Zoomといえば?
Zoomと聞いたら、どんな企業を思い浮かべるでしょうか。100人中、120人がビデオ会議システムで有名な、このロゴの会社を思い浮かべるでしょう(Zoom Video Communications:株式コード ZM)。
「じゃない方」のZoom、爆誕
2020年、あと一つのZoomがNASDAQに上場しました(ZoomInfo Technologies Inc:株式コード ZI)。
この会社は、営業支援のクラウドサービス(注)を提供しています。同業で世界的に有名な、セールス・フォースに対抗し得る企業として、 セールス・フォース ・キラー( セールス・フォース 殺し)とも呼ばれています。
(注) 電話やメールでの顧客とのやり取りをすべて記録、分析し、それぞれの営業担当者に、「この顧客にはこの商品を勧めましょう」などの提案をしてくれるサービスです。このZoom Infoやセールス・フォースでは、データの保存、分析はクラウド上で行われます(アマゾンのAWSと同じです)。
Zoon InfoはZoom Videoと無関係の会社です。
上場直後に、Zoom Infoの株価が急上昇しましたが、「Zoom Video株と間違えてZoom Info 株 を買った人が多かったから」と皮肉を言われたこともありました。
もう「じゃない方」とは呼ばせない!
2021年8月6日時点で、Zoom Videoの時価総額は1138億ドル(単純化のために1ドル=100円とすると、11.3兆円程度)。
Zoom Infoは269億ドル(2.6兆円程度)であり、JR東日本、エーザイ、イオン、日産自動車などと同程度です。
注:Bは10億ドル
2021年に入ってから本記事の執筆時点(2021年8月6日)までに、 Zoom Infoの株価は33%も上昇しており、Zoom Videoの18%を大きく上回っています。
実際に 「Zoom Video 株 と間違えてZoom Info 株 を買った人 」がいたとしても、その人はむしろ、運が良かったといえるかもしれません。
Zoom Infoの経営状況は極めて良好
Zoom Infoは2021年8月、第2四半期(2021年4~6月)の決算を公表しました。
顧客獲得数は過去最高を更新したほか、契約継続率も過去最高となりました。
企業はコロナ禍により、顧客と対面で会うことが困難となったため、新規顧客の開拓手法の見直しを迫られています。
そのような中では、Zoom Infoのような営業支援サービスは、メールや電話による新規顧客開拓の助けとなるため、企業はこぞって、同社のサービスを導入しています。
今後に関しても、営業支援サービスの導入が進むと考えられ、Zoom Infoが提供するサービスへの需要が高まることでしょう。
Zoom Infoと同業のセールス・フォースの時価総額は2320億ドルと、Zoom Videoの1138億ドルの倍以上です。
「じゃない方」であるZoom Infoの時価総額が、「本家」?のZoom Videoを上回る日も遠くないかも知れません。
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