中国、不動産の規制とハイテク優遇を継続。2021年10~12月までは景気減速か。

株の戦略

中国では、不動産向け融資の伸びが大幅に減速

中国の中央銀行である中国人民銀行が公表したところによると、2021年4~6月における不動産業向けの融資は前年同月比で + 9.5%と、 2021年1~3月の+10.9%から更に減速しました。

最近のピークである16年10~12月期末の+27.0%からすると、20%近く伸び率が低下したことになります。

中国当局が不動産バブルを潰すために、不動産融資を抑制させる方針であることを反映しています。

製造業向けの融資は加速

その一方で、鉱工業向けの融資は2021年4~6月に前年同月比で+25.8%と、1~3月の+24.2%から伸びが加速。最近のボトムである16年7~9月から大幅に加速しています。

中国当局が成長分野、かつ、炭素の排出量が少ない分野として、ハイテク分野を後押ししたい意向を反映しています。

好ましくない物価上昇が発生。中国全体としては、成長は減速

中国の不動産業は減速する一方、ハイテク産業は成長が続く可能性がありますが、中国全体としては成長が減速する可能性が高いです。それは中国政府が不動産業だけでなく、製造業の中でも、環境負荷の高い業種に関しては、締め付けの対象としており、その悪影響が出てしまっているためです。

2021年7月、中国の生産者物価指数は前年同月比+9.0%と、6月の+8.8%から加速しました。

生産者物価指数の上昇が加速してしまったのは、政府が環境負荷の高い産業(CO2排出量が多い重工業など)の生産を抑制させた結果、物の価格が上がってしまったためです。

物不足に伴う価格上昇は、仕入れを困難にしますので、作り手にとってネガティブであり、買い手としても、需要が高いわけでもないのに、物の価格が上がりますから、やはりネガティブです。

多少の景気減速には目をつぶり、構造改革を優先

コロナ後に各国が史上最大規模の景気対策を行ったことで、各国の景気は悪くない状況といえます(少なくとも株価だけを見ると)。

中国政府としては、各国が景気を支えてくれている今が、構造改革(格差是正、環境改善、等)と考えているため、多少の景気減速には目をつぶる可能性が高いです。

市場では2021年10~12月期までは、中国景気が減速するという見方が優勢であり、中国株の押し目を拾うには、2021年の冬あたりまで待った方が良いかもしれません。

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