ウクライナ問題、ガソリンの高騰続く

コモディティ

原油価格(WTI)は120ドル台まで上昇した後、一時ドル割れ

西側諸国がロシア産の原油輸入を禁止したことで、世界的な原油不足が意識され、2022年3月上旬、原油価格(WTI)は一時120ドル台まで上昇。その後、原油価格は一時反落し、100ドル割れとなりました。

その背景としては、イランの核合意再建交渉が再開し、イランの原油輸出復活の可能性が意識されたことや、ウクライナとロシアの停戦交渉が進むことへの期待を挙げることができます。

しかし、3月17日時点で原油価格は再び100ドル台まで上昇。下記の通り、原油価格は今後も高止まりする可能性が高いです。

IEA(国際エネルギー機関)は、原油不足長期化を予想

IEAは3月16日に公表した月報で、ロシアの原油生産が今後日量約300万バレル減産するとの見方を示しました。

これまでIEAは、2022年には世界の原油需給が供給過剰へ転じると想定していましたが、ロシアの原油減産の可能性を踏まえて、2022年、世界は原油不足になると予想

ウクライナとロシアが停戦に至ったとしても、欧米がの対ロシア制裁を緩めない限り、欧州各国はロシア産原油を輸入し難い状況が続くため、原油不足は続きます。

これは、ガソリン価格の高騰が続くことを意味するほか、ガソリン価格だけでなく、電気・ガス料金、原油から作られるプラスチックなど様々な価格が上昇することを意味します。つまり、インフレ上昇が続くということです。

インフレの上昇は、金利上昇につながるため、銀行株にとってはプラスでしょう。金利が上がるほど、銀行は貸出金利を引き上げることができます。

その一方で、ハイテク株にはマイナスでしょう。ハイテク株は、将来の成長に伴い、将来の現金収入が一段と増加することが評価されて、高い価格で取引されていますが、金利が上昇してしまうと、将来得られるであろう現金の現在価値が減少するため、金利上昇はハイテク株にとって悪材料といえます。

(補足)金利が上昇してしまうと、将来得られるであろう現金の現在価値が減少するということ

例えば金利1%だと、100円は1年後に101円になります。言い換えると、1年後の101円は現在の100円です。

金利10%だと、100円は1年後に110円になります。言い換えると、1年後の110円は現在の100円です。

以上をまとめると、金利1%だと1年後の101円は現在の100円でしたが、金利10%だと1年後の101円は現在の100円を下回ることになります(金利10%なら、1年後の110円が現在の100円)。よって、金利上昇は、将来得られるであろう現金の価値を低下させます。

 

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