デンマークは9月末、利上げではなく「利下げ」を断行。インフレなのになぜ利下げするのか

FXの戦略

米国では緩和縮小、利上げを検討

2021年9月FOMCでパウエルFRB議長は、2021年11月に米国でテーパリング(緩和縮小)の開始宣言がなされる可能性が高いことに言及しました。

2021年10月4日に実施されたOPECプラスでの原油の減産見送りを受けて、原油価格は2018年以来の高値にあり、世界的にインフレ上昇圧力が高まっています『OPECプラス、減産見送り。原油価格急騰でむしろ利下げの可能性高まる?』。

そのような環境下では、米国のように中銀は、緩和縮小や利上げを検討することで、インフレの上昇を抑制しようとするのが自然でしょう。

市場では早ければ2022年後半から、米国で利上げが行われることを想定しています。

〇原油価格(WTI)の推移

WTI

デンマークは利下げ。その理由は為替

しかしデンマーク中銀は9月30日、利下げを断行しました。

世界的にインフレ上昇圧力が高まり、各国中銀が利上げを検討する中で、何故、デンマーク中銀は利下げを行ったのでしょうか。
米国や日本など、多くの中銀はインフレ率の安定を政策目標としていますが、デンマーク中銀の目標は、インフレではなく為替の安定です。

特にデンマーククローネ・ユーロ(DKKEUR)の安定が、デンマーク中銀が政策金利を決めるうえで、重要となります。

2020年後半以降、デンマーククローネがユーロ対比で割高化し、デンマーク企業の輸出企業にとって業績の下押し圧力となっていました。その状況を打開するため、デンマーク中銀は2021年3月に続き2021年9月に、利下げを行ったのです。

〇 デンマーククローネ・ユーロ(DKKEUR) とデンマーク政策金利の推移

コメント

タイトルとURLをコピーしました