米小売売上(7月)の下振れ要因はアマゾンとコロナ

株の戦略

米国小売上(7月)は下振れも、市場の反応は限定的

昨日、米国の朝8:30(日本時間の21:30)に公表された米コア小売売上 (自動車・ガソリン・建材展食品を除く )は前月比-1.0%と市場予想を大きく下回りましたが、株価の下げは限定的となりました。

・小売り統計公表当日のS&P500

S&P500
出所 Google

8月13日公表のミシガン大指数により、ある程度予想できた結果

8月13日に公表された、ミシガン大の消費者信頼感指数が大幅に下落していたため、市場では小売売上 (7月) の悪化もある程度想定していたと考えられます。

小売売上(7月)は市場予想も下回りましたが、これはある意味、(古い)市場予想との比較といえます、

市場予想は統計公表の1週間以上前に、各社(各アナリスト)が公表します。統計公表の前日に修正されることは稀です。

小売売上(7月)が下落した要因:コロナ拡大とアマゾンセールの月変更

小売売上(7月)が下落した主因は、 8月13日に公表された、ミシガン大の消費者信頼感指数の大幅下落からも分かる通り、感染の再拡大です。

外出自粛により、13分野のうち自動車などの7分野で売り上げが低下しました。

特にモノ(財)の売り上げが減速しています。

感染拡大により、ネット通販は伸びそうなものですが、アマゾンのプライムデーが従来の7月から今年は6月となったため、7月はネット通販も減速しました(既に6月のアマゾンセールで買ったため)。

鉱工業生産は良好な結果。稼働率はコロナ前の水準に

小売売上の陰に隠れてしまっていますが、同日に公表された米国の鉱工業生産(7月)は前月比+0.9%と市場予想を上回りました。

中でも自動車生産の生産が前月比+11.3%と急回復しており、半導体不足の解消と、それに伴う自動車生産の再開を示唆する内容となっています。

設備稼働率も76%とコロナ前の2020年2月以来の高水準にまで戻りました。

・半導体不足については下記をご参照ください

総評

小売売上(7月)ではコロナやセールの時季変更で、売上高が減少していることが確認されましたが、その一方で、大きく需要が落ち込んでいたサービス関連の売り上げは持ち直しています。

また自動車等の生産が再開することで、自動車を買いたくても変えない人(特に中古車の価格は前年比で数十%に及びました)が自動車を買うことが出来るようになることで、売り上げも増加するでしょう。

・米国の中古車価格指数

An index of U.S. used vehicles surged to a fresh record in April
出所 Bloomberg

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